東工所・東電所鉄道技術フォーラム参加報告(2020年度2)

トピック:東工所・東電所鉄道技術フォーラム参加報告(2020年度2)

スレッド:JR東日本の設備/路線
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東工所・東電所鉄道技術フォーラム参加報告(2020年度2)

#22577
ホームタウンとちぎ
参加者
無理を承知混じりながら、宇都宮止めでいいからホームタウンとちぎ・おはようとちぎを復活させて欲しいぞ品川発着で。 表示

例年2月上旬頃に2日間、JR東日本の本社の社屋に於いて東京工事事務所・東京電気システム開発工事事務所の主催による東工所・東電所鉄道技術フォーラムの開催があります。
この技術フォーラムには誰でも入場出来る為に、私も最新の改良プロジェクトの情報を入手したり自分の見識を付ける為に毎年参加しております。
昨今の情勢から今年はWeb上での開催となりましたが、例年通り登録することによって誰でも参加できる様になっています。
そのため参加して参りましたので、1に続いて東京電気システム工事事務所発表の内列車制御の展示をメインにご報告致します。
尚、今回もトピックの長さを抑える為に割愛したモノが多数ありますのでご了承下さい。

1:次世代新幹線ATCの開発
現行のDS-ATCに間もなく取り替え時期が来る為、無線伝送をベースにした次世代型の新幹線用ATCの開発を行うとの内容の画像がありました。
まず現行のDS-ATCシステムの場合、地上装置側から信号ケーブルを通して軌道回路から電文を列車に送る形で速度制御と列車間隔の確保を行っています。
しかし次世代型の場合、地上装置から漏えい同軸ケーブル(以下LCXケーブルと書きます)までをケーブルで通信した後にLCXケーブルと列車の間を無線通信で情報の送受信をするとのシステムに変更されるとありました。
D-ATC・DS-ATC・ATACSの実績から、このシステムに於いての列車間隔の確保を軌道回路からATACSのプロセスの様に――
①車上で位置を算出し(このプロセスで自車の車上データベースに情報を回してて、そこで作成されたパターンを運転台の車内信号に現示しているかと考えます)
②自列車から無線経由で地上装置に送信して
③そこで演算した後に後続列車に送信して
④受け取った後続列車に搭載された車上データベースで前の列車の位置等走行可能な位置に対する速度パターンを作成して
⑤その速度パターンを運転台の車内信号に現示してそれに従わせる
⑥パターンに当たればブレーキを動作させる
といったステップに変化させると考えられます。
次世代型ATCに更新することで、現行のDS-ATCと比較した際――
■地上と車上の双方向で通信を行うこの次世代ATCシステムを導入する為、将来的な自動運転を実行する上で必要となる伝送経路の構築をこの段階でできる。
■輸送障害の発生時に現状RS-ATCと言う無線式のATCを使っていてそれで逆線走行を出来る様にしてあるが、RS-ATCとと比較した際に現状できない列車の続行運転をできる様になりかつ最高速度を110km/h以上へ向上させることをできる。
■臨時に速度制限を掛ける必要のある区間に於いて、6段階の速度レベルと1km単位の区間の長さで制限を掛けていたところ、5Km/h刻み72段階の速度レベルと1m単位の区間の長さで制限を掛けるきめ細かい設定をできる。
■無線で列車防護の信号を出せる為、地上設備をスリム化できる。
の、4点の変更点があります。
また、この展示の内にALFA-Xを使用したこ現車試験を行っているとの内容の動画がありました。
昨年11月末頃にALFA-Xの那須塩原駅及び那須電留線での目撃情報がありますが、12月より現車試験を開始したと動画中にありましたので時期よりそれへの入線試験だったと考えられます。
また、2020年度中に宇都宮~那須塩原に於いて上下線をそれぞれ使用した逆線走行の試験を行うとの内容もありました。

2:公衆無線とGNSSによる無線式踏切・特発制御システムの開発

こちらのサイトでシステムの簡単な紹介があり、こちらの例の様に何度か八高線の高麗川~高崎で試験をしていた様子が目撃された新たな踏切制御システムの内容の動画の掲載がありました。
それによると…
①中央装置で閉塞を確保されている区間(八高線の場合列車交換できる駅間)にある踏切全部に、警報を動作させ始める時刻(以下警報開始時刻)をセットする。
②全踏切に警報開始時刻をセットしたことで、出発信号機に進行現示を出す。
③区間を走行中はGNSSで列車の位置を割り出してから、そのデータを中央装置に4G回線経由で送信。
④中央装置で列車から送信されたデータを受信。
⑤③と④の動作を高速で繰り返すことで、中央装置でリアルタイムに列車を捕捉させてそれに接続されたモニターに表示して在線検知。
⑥走行している列車が踏切に接近するにつれて、警報開始迄の残り時間を更新する。
⑦踏切警報制御によって、動作状況を監視する部屋に踏切警報制御表示目的で取り付けられたLEDランプが消灯して警報開始表示となる。
⑧警報開始時刻となったので、踏切現地で警報機・遮断器を動作させ始める。
⑨中央装置に4G回線経由で情報を送信されて、情報を受信した装置でモニターに警報中表示を出す。
⑩列車が設定された踏切を通過するとシステムで警報器を止めて遮断機を上げる。
⑪動作を監視する部屋に取り付けたLEDランプの内、開いた踏切分が再度点灯するので警報終止表示となる。
⑫モニターから警報中表示が消え、警報を止めたことを確認できる様になる。
⑬③~⑫のステップを踏切毎に繰り返して、列車が次の駅に到着する。
⑭非常ボタンが押されると踏切から中央装置に情報を飛ばし、支障表示をモニターに表示させる。
⑮⑭と併せて、中央装置から列車の運転支援モニターに停止信号を送信する。
⑯停止信号を受信した運転支援モニターからその画面に表示と警報音を出すことにより、それを確認した乗務員によりブレーキが掛けられて列車を停止させる。
と言うステップでコントロールランでの運用をされておりました。
この展示は、この動画がメインとなっていました。

今回は技術フォーラムの中から、東電所の研究開発の内こちらのサイトのJRの施設/設備トピックで紹介出来そうと考える2点を抜き出してご報告致しました。

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