輪軸不正問題で全国50社で改ざん発覚（速報値）

国土交通省はJR貨物の輪軸組み立てに係る不正発覚を受け、全国の鉄軌道事業者に輪軸の緊急点検9月30日まで報告するよう同月12日に指示し、その速報値が公表されました。

圧入力値が内規から逸脱している等の不適切な事案が判明した事業者は91、そのうち、改ざんが確認された事業者は50（委託先が不正も含む）でした。安全が確認できなかったと報告した事業者はありませんでした。
全国に156の事業者があり、基準逸脱は半数以上、データ改ざんは約1/3もの事業者で発覚しました。

鉄道事業者と国土交通省では、輪軸の圧入力値の基準に関する取り扱いやその認識に差があることが報道されています。国交省は10月に鉄道各社、メーカー、有識者などで構成する「輪軸の安全性に関する検証会議」を10月中に設置し、年内に輪軸組み立て作業時の安全性の確認方法や基準逸脱時の取り扱いなどの明確化を図るとしています。

JR貨物で7月にあった脱線事故の事故原因は現在調査中ではありますが、脱線車両で圧入力値が基準を超えている輪軸の使用が報告されいます。

このフォーラムは東日本の公民鉄ですが、西日本の事業者も掲載しています。

改ざんがあった事業者は次の通りです。
・自社またはグループ会社が改ざん等の不正
JR東日本（総合車両製作所含む）、JR貨物、東京メトロ（メトロ車両関係）、京王電鉄（京王重機整備、総合車両製作所関係）

・京王重機整備関係で不正があった事業者
札幌市交通事業振興公社、函館企業局、東京都交通局、三陸鉄道、新京成電鉄、関東鉄道、上毛電気鉄道、上信電鉄、秩父鉄道、小湊鉄道、流鉄、小田急箱根、富士山麓電気鉄道、長野電鉄、アルピコ交通、万葉線、静岡鉄道、大井川鐵道、豊橋鉄道、明知鉄道、福井鉄道、信楽高原鉄道、水島臨海鉄道、仙台臨海鉄道

・総合車両製作所関係
東急電鉄、福島交通、三陸鉄道、山形鉄道、会津鉄道、関東鉄道、ひたちなか海浜鉄道、秩父鉄道、江ノ島電鉄、小田急箱根、横浜高速鉄道、真岡鉄道、鹿島臨海鉄道、いすみ鉄道、富山地方鉄道、伊豆急行、静岡鉄道、天竜浜名湖鉄道、明知鉄道、水間鉄道、紀州鉄道、WILLER TRAINS（京都丹後鉄道）、阪堺電気軌道、一畑電車、岡山電気軌道、高松琴平電気鉄道

・メトロ車両関係
東葉高速鉄道、埼玉高速鉄道

※改ざんは確認できなかったものの、圧入力値が規定から逸脱している等の不適切な事案が判明した事業者は省略しています。

報道発表資料：鉄道車両における輪軸の緊急点検の結果（速報） – 国土交通省
https://www.mlit.go.jp/report/press/tetsudo07_hh_000274.html

車輪・車軸数値改ざん問題、５０事業者で改ざん・４１事業者で不適切事案…国交省が検証会議設置へ : 読売新聞
https://www.yomiuri.co.jp/national/20240930-OYT1T50145/

鉄道各社、基準値を軽視　「あくまで目安」不適切な輪軸1万本以上 – 産経ニュース
https://www.sankei.com/article/20240930-3ZEEAETOCFP2LPMBSGAJHZ2YCU/

国交省、全国の鉄道事業者に緊急点検指示 JR貨物の車両不正受け | 毎日新聞
https://mainichi.jp/articles/20240913/k00/00m/040/124000c