「事業用機関車の全廃と後継車両の導入」について
2018年8月、秋田総合車両センターの公開で、JR東日本の事業用機関車の全廃が2024年度にかけて行われることが明らかになりました。
後継となるレール輸送用新型車(キヤE195系)も導入されており、2020年4月現在の情報をまとめます。
後継となるレール輸送用新型車(キヤE195系)も導入されており、2020年4月現在の情報をまとめます。
- 機関車は2021年度から2024年度にかけて廃車。(2018年時点。多少のずれも。)
- レール輸送は2020年度から2021年度にかけてキヤE195系へ置き換え。
- 今後、砕石輸送用のGV-E197系、車両輸送用のE493系が導入予定。
事業用機関車の全廃スケジュール
事業用の車両輸送では最初に淘汰された事業用電車による配給。電気指令式空気ブレーキを動作させるための課題(詳細)があり、編成を組んだ状態での機関車による配給が増えました。
事業用機関車全廃の経緯
事業用機関車を全廃するという話は、2015年度に公開された労組資料で初めて登場しました。当時は「2017年度から2019年度にかけて全廃」とされていました。2018年8月、秋田総合車両センター公開で、機関車の廃車時期が掲示されていることが確認されました。2020年4月に明らかになった労組資料では、秋田での機関車検査が終了する時期が明記されました。これらの資料によると、多少のずれはあるでしょうが、秋田で検査を行う機関車は2021年度から2024年度にかけて廃車され、2022年に検査が終了することになります。
JR東日本の機関車全検は、大宮総合車両センターで検査をしている蒸気機関車以外は、秋田総合車両センターへ集約されており、秋田総合車両センターで機関車検修をやめるということは、ほぼ事業用機関車の全廃を意味しています。
一方で、旅客用の動態保存に近い電気機関車、ディーゼル機関車は残る可能性があります。(一部労組資料に、高崎のELを残すという記述がありますが、期間が不明確なので割愛します。)
2018年10月に公開された労組資料では「操車業務の縮小(レール・砕石・車両輸送用新型車両導入)」との記述があり、車両輸送、砕石輸送にも新型車両を導入することが明らかとなりました。2021年度から機関車の淘汰を順次行うためには、後継となる各形式の量産先行車が次々と登場することが見込まれていました。
事業用機関車の用途
事業用機関車の用途としては大きく3点挙げられます。レール輸送
船で運ばれてきたレールは、越中島や仙台港などから各地へ運ばれていきます。近年、ロングレール輸送の貨物列車化の動きがありましたが、当該貨車は降ろすための設備が無く、レールセンターでの積替えと、現地への輸送は引き続き行われるでしょう。現状の配置状況
2019年12月末現在の商業誌、その後の現車の状況からまとめています。電気機関車
形式 | 双頭連結器 | それ以外 |
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EF64 | 1030(長岡) 1031(長岡) 1032(長岡) |
37(高崎) 1001(高崎) 1051(長岡) 1052(高崎) 1053(高崎) |
EF65 | 501(高崎) 1102(田端) 1103(田端) 1104(田端) 1105(田端) 1115(田端) |
|
ED75 | 757(仙台) 758(仙台) 759(仙台) 767(秋田) 777(秋田) |
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EF81 | 134(長岡) 136(秋田) 139(田端) 140(長岡) 141(長岡) |
80(田端) 81(田端) 95(田端) 97(長岡) 98(田端) 133(田端) |
ディーゼル機関車
形式 | 車号 |
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DE10 | 1122(盛岡) 1124(郡山) 1180(郡山) 1187(秋田) 1571(高崎) 1603(高崎) 1604(高崎) 1647(秋田) 1649(郡山) 1651(郡山) 1654(高崎) 1680(長岡) 1685(高崎) 1697(高崎) 1700(長岡) 1704(高崎) 1705(高崎) 1751(高崎) 1752(高崎) 1759(秋田) 1760(郡山) 1761(盛岡) 1762(盛岡) 1763(盛岡) 1764(盛岡) 1765(盛岡) |
DE11 | 1041(高崎) |
DD51 | 842(高崎) 895(高崎) |
後継車(キヤE195系・GV-E197系・E493系)
先に機関車を全廃したJR東海では、レール輸送にキヤ97系気動車を導入し、車両輸送は営業車を基本に、希にレール輸送車を活用しており、砕石輸送は機械化しています。
JR東日本では、レール輸送にキヤ97系に準じたキヤE195系事業用気動車、GV-E197系砕石輸送気動車、E493系事業用電車を導入することとなりました。
2020年4月の労組資料で、キヤE195系の投入両数、投入時期が明らかとなりました。ロングレール輸送用0番台は44両(4編成)、定尺用1000番台は46両(23編成)で「2021年7月頃レール輸送の気動車化完了予定」とされています。
最新の編成表はキヤE195系小牛田運輸区編成表、キヤE195系尾久車両センター編成表を参照ください。
2020年2月、高崎地区労組資料に、砕石輸送用GV牽引車の導入とも読める「GVEに補機(ホキ?)を付けるという話」との記述があり、2020年11月には、新潟トランシス構内で現車を目撃しました。
その後、カラー帯が貼られ、2021年1月17日から順次出場(牽引車・砕石輸送車)、車両形式、用途、高崎所属を示す所属表記などが確認されました。1月19日には公式プレスリリース(PDF)があり、GV-E197系は6両編成となり、2021年春以降に高崎エリアへ先行投入することが明らかとなりました。
最新の編成表はGV-E197系高崎車両センター高崎支所編成表を参照ください。
2021年1月19日、公式プレスリリース(PDF)で2両編成の牽引車E493系を2021年春以降に首都圏エリアへ先行投入することが明らかとなりました。
2021年2月8日から順次出場、尾久所属を示す所属表記が確認されました。
最新の編成表はE493系尾久車両センター編成表を参照ください。
JR東日本では、レール輸送にキヤ97系に準じたキヤE195系事業用気動車、GV-E197系砕石輸送気動車、E493系事業用電車を導入することとなりました。
レール輸送用新型車両
2017年8月、小牛田運輸区で「キヤE195系工臨気動車推進プロジェクト」の看板が確認され、キヤE195系の名前が明らかとなりました。仕様は不明でしたが、2017年9月に公式プレスリリース(PDF)が公開され、レール輸送用であることが明らかとなりました。現車が登場した後の2018年1月には、2019年度からの本格稼働を目指しているとの報道がありました。2020年4月の労組資料で、キヤE195系の投入両数、投入時期が明らかとなりました。ロングレール輸送用0番台は44両(4編成)、定尺用1000番台は46両(23編成)で「2021年7月頃レール輸送の気動車化完了予定」とされています。
キヤE195系編成表
小牛田運輸区所属キヤE195系0番台
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キヤE195 GDE
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キサヤE194 |
キヤE194 GDE
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キヤE194 GDE
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キヤE194 GDE
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キサヤE194 |
キヤE194 GDE
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キヤE194 GDE
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キヤE194 GDE
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キサヤE194 |
キヤE195 GDE
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150mロングレール輸送用 |
小牛田運輸区所属
キヤE195系1000番台
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キヤE195 GDE
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キヤE195 GDE
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定尺レール輸送用 |
砕石輸送用新型車両
先述の通り、2018年10月に公開された労組資料では「操車業務の縮小(レール・砕石・車両輸送用新型車両導入)」との記述があり、砕石輸送車の導入が明らかとなりました。2020年2月、高崎地区労組資料に、砕石輸送用GV牽引車の導入とも読める「GVEに補機(ホキ?)を付けるという話」との記述があり、2020年11月には、新潟トランシス構内で現車を目撃しました。
その後、カラー帯が貼られ、2021年1月17日から順次出場(牽引車・砕石輸送車)、車両形式、用途、高崎所属を示す所属表記などが確認されました。1月19日には公式プレスリリース(PDF)があり、GV-E197系は6両編成となり、2021年春以降に高崎エリアへ先行投入することが明らかとなりました。
砕石輸送用新型車両のうち牽引車(GV-E197形)は双頭連結器となっており、後述の車両輸送用新型車両が電車であることから、非電化区間での車両輸送に、GV-E197形が活用される可能性が高いです。
GV-E197系編成表
ぐんま車両センター所属GV-E197系0番台
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GV-E197 VVVF
SIV
CP
GDE
MAG
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GV-E196 |
GV-E196 |
GV-E196 |
GV-E196 |
GV-E197 VVVF
SIV
CP
GDE
MAG
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砕石輸送用 |
車両輸送用新型車両
2018年10月に公開された労組資料以降、牽引車に関する情報はありませんでした。2021年1月19日、公式プレスリリース(PDF)で2両編成の牽引車E493系を2021年春以降に首都圏エリアへ先行投入することが明らかとなりました。
2021年2月8日から順次出場、尾久所属を示す所属表記が確認されました。
E493系編成表
尾久車両センター所属
E493系0番台
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クモヤE493 CI
SIV
CP
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クモヤE492 CI
SIV
CP
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車両輸送用 |