京浜東北線などへのE235系投入とE233系転属

E235系投入によるE233系の京浜東北・根岸線などからの撤退と各地への転属。

「京浜東北線などへのE235系投入とE233系転属」について

2020年6月に置き換え計画が明らかとなった京浜東北線向けE233系 2020年6月に置き換え計画が報道された京浜東北線向けE233系。
2017年、宇都宮線、高崎線、東海道線へのE235系投入、E231系の転属が、2015年時点で検討されていたことが明らかになりました。また、2020年6月から7月にかけて、京浜東北線、横浜線へのE235系投入、E233系の転属が2020年時点で検討されていることが明らかとなっています。
実際の転属は2024年度以降になる見通しですが、2020年7月現在の情報をまとめます。

車両取替中長期計画(ベストプラクティス)とその推移

置き換え時期が早まったことが伺えるE217系と、新製された横浜線向けE233系6000番台1本目。 置き換え時期が早まったことが伺えるE217系と、新製された横浜線向けE233系6000番台1本目。2014年1月の一コマ。
外部へ公開された労組資料によると、「車両メンテナンス近代化第Ⅲ期計画」が実施されて以降、「運輸車両関係社員の皆さんへ」と題し、今後10年間の車両取替中長期計画(ベストプラクティクス)が各支社運輸車両部を通じて、各現場へ配布されています。元々、検修職場では数年先を見ながら修繕計画を立てており、車両計画を周知することで、情報経路を明確化するメリットがあります。
次章以降で示しますが、改訂は数年おきに実施され、2015年度に3回目、2018年度に4回目、2020年度に5回目の改訂が行われています。E235系の投入順序は2転していますが、転用による205系、211系などの置き換えという柱は、少なくとも5年間は変わっていません。
車両計画は日々連続的に変わっていくものですが、話を単純にするため、以下、ベストプラクティスに沿って、計画の推移をまとめます。

E235系投入計画とE231系・E233系転用に関する情報のまとめ

E235系投入計画(東海道・宇都宮・高崎線向け、および京浜東北・根岸線・横浜線向け)とE231系・E233系転用(近郊タイプ・通勤タイプ)に関する情報のまとめ

近郊線区へのE235系投入とE231系の転属(ベストプラクティス2015)

山手線向けE235系 山手線に続き、2020年5月から総武快速・横須賀線への投入されたE235系。ベストプラクティス2015とは矛盾する順序。
東海道・宇都宮・高崎線向けE235系の投入と、東海道・宇都宮・高崎線、常磐快速線からのE231系転出、仙石線、信越・篠ノ井・中央線へのE231系転入が労組資料から伺える状況でした。

明らかになった東海道・宇都宮・高崎線向けE235系

2017年の労組資料によると、2015年5月にベストプラクティス2015が内部向けに公表されました。
ベストプラクティス2015への質問の中で、「宇都宮線・高崎線へのE235系投入計画」へ言及していることから、そのような記載があったと考えられます。また、ベストプラクティス2015への掲載を直接的には読み取れないものの、労組資料中に東海道線向けE235系へ言及している部分があります。この労組資料から、東海道・宇都宮・高崎線へのE235系投入計画が明らかとなりました。
一方で、労組資料では、総武快速・横須賀線向けE217系の置き換えについて、「小山・国府津・高崎のE231系を転用」できないのか、と労組から会社へ提案している部分があります。つまり、ベストプラクティス2015でのE235系の投入順序は東海道・宇都宮・高崎線向けが先、総武快速・横須賀線向けが後だったと考えられます。

東海道・宇都宮・高崎線からの転出

東海道・宇都宮・高崎線へのE235系投入 基本91編成、付属69編成が所属する大所帯のE231系近郊タイプ。
近郊線区のE231系は、2015年から始まった前期編成の機器更新が、下記の通り一部の車両にしか施工されなかった(参考)ことから、転用を考慮している可能性が指摘されていました。
2018年5月に明らかになった労組資料では「東海道・宇都宮・高崎線E231系転用に対しての時期及び改造計画」への言及があり、ベストプラクティス2015にE231系の転用が記載されていたと考えられます。一方、常磐快速線E231系への言及もありましたが、こちらはベストプラクティス2015への記載が確定できない表現でした。

E231系近郊タイプ前期編成の機器更新(2016年度以前)

小山車両センター所属の前期編成については、下記のように中間付随車以外に機器更新が行われていました。
黒磯/前橋
熱海
小山車両ベース所属E231系1000番台基本編成(更新)
  • 縮小
  • 詳細
10号車 9号車 8号車 7号車 6号車 5号車 4号車 3号車 2号車 1号車
▽

>

WC
WC

>

WC
クハE231
6000A
ロング
サハE231
1000A
ロング
モハE231
1000C
ロング
VVVF
SC112
立 IGBT
モハE230
1000C
ロング
SIV
SC114
富 IGBT
CP
MH3119-C1600S1
サハE231
6000A
ロング
サロE231
1000A
クロス
サロE230
1000A
クロス
モハE231
1500C
ロング
VVVF
SC112
立 IGBT
モハE230
3500C
セミクロス
SIV
SC114
富 IGBT
CP
MH3119-C1600S1
クハE230
8000A
セミクロス
更新 未更新 更新 更新 未更新 未更新 未更新 更新 更新 更新
宇都宮/籠原
熱海
小山車両ベース
所属E231系1000番台付属編成(更新)
  • 縮小
  • 詳細
15号車 14号車 13号車 12号車 11号車
▽

>

WC
▽
クハE231
8000A
セミクロス
サハE231
3000A
セミクロス
モハE231
1000C
ロング
VVVF
SC112
立 IGBT
モハE230
1000C
ロング
SIV
SC114
富 IGBT
CP
MH3119-C1600S1
クハE230
6000A
ロング
更新 未更新 更新 更新 更新

各地方線区へのE231系転入

信越・篠ノ井・中央線向け211系 ベストプラクティス2015での置き換え言及があったと思われる信越・篠ノ井・中央線向け211系。
労組資料の中で、長野総合車両センターに関して「(会社)基本的には211系をE231系へ置き換えたい」との記述、「(組合)仙石線は現状205系が走っているが、E231系への置き換えとの話がある」との記述もありました。長野地区へのE231系の転入はベストプラクティス2015に記載されていたと考えられますが、仙石線E231系については記載の有無が分からない状況でした。
また、長野総合車両センターに関しては「(組合)松戸車両センター所属E231系へのトイレ設置の考え方を明らかにすること」との記述があり、信越・篠ノ井・中央線向けの一部は、松戸車両センター(常磐快速線)からの転入がベストプラクティス2015に記載されていたと考えられます。そして、先述の中間付随車の機器更新見送りは、常磐快速線のE231系でも行われています。

常磐快速線(参考)

前項の通り、E231系の転出が伺えるものの、その原資(例えばE235系の投入)に関する記述は一切見つかっておらず、ここでは取り上げません。

投入順序などの変更(ベストプラクティス2018)

機器更新計画が変更された常磐快速線向けE231系 機器更新計画が変更された常磐快速線向けE231系。最終的に付属編成5本のみがサハE231形を機器更新しませんでした。
2018年5月にベストプラクティスが改訂されたことが2020年4月の労組資料で明らかとなりました。
2020年7月現在、このベストプラクティス2018の内容については、外部に公開された労組資料からは確認できません。ただし、後述の報道から、転用の原資となるE235系投入先は引き続き東海道・宇都宮・高崎線向けが存在したと推測され、近郊線区の車両動向に、転出形式の変更を示唆する動きが出ています。

宇都宮・高崎線向けE235系が報道

2018年9月3日付産経新聞に「高崎線、東北線などにも順次投入する方針」との記事が掲載されました。報道レベルで宇都宮・高崎線向けが投入されるとの情報が初めて出てくると共に、転用の原資となるE235系投入先は引き続き東海道・宇都宮・高崎線向けが存在したと推測されます。

投入順序の変更

2018年9月4日付のプレスリリース(PDF)で、総武快速・横須賀線向けE235系が2020年より順次投入されることが明らかとなりました。ベストプラクティス2015と比べると、投入順序は変更となり、総武快速・横須賀線向けが先に登場することが明らかになりました。 投入順序が変更された後は、詳細な情報が出ていないため、転用先を推測するのは困難な状況となりました。

E231系サハE231形の機器更新が開始

2015年度から始まった機器更新ではサハE231形の機器更新が見送られていましたが、JR電車編成表(交通新聞社)によると、2017年4月から配置区所(一部はその後の入場時)で更新済みの編成のサハE231形を対象に機器更新が始まり、2017年度以降の機器更新では全車両に対して機器更新が行われています。結果、2019年度までに付随車を含めて全車両の機器更新が完了しました。常磐快速線のE231系も同様に機器更新が追加で行われましたが、こちらは2018年5月を最後に、付属編成5本の付随車を残して機器更新が終了しています。
計画変更により、いずれの線区(松戸車両センターの付属編成5本を除く)も、サハE231形が先行廃車となる可能性が下がったためと考えられます。
黒磯/前橋
熱海
小山車両ベース所属E231系1000番台基本編成(更新)
  • 縮小
  • 詳細
10号車 9号車 8号車 7号車 6号車 5号車 4号車 3号車 2号車 1号車
▽

>

WC
WC

>

WC
クハE231
6000A
ロング
サハE231
1000A
ロング
モハE231
1000C
ロング
VVVF
SC112
立 IGBT
モハE230
1000C
ロング
SIV
SC114
富 IGBT
CP
MH3119-C1600S1
サハE231
6000A
ロング
サロE231
1000A
クロス
サロE230
1000A
クロス
モハE231
1500C
ロング
VVVF
SC112
立 IGBT
モハE230
3500C
セミクロス
SIV
SC114
富 IGBT
CP
MH3119-C1600S1
クハE230
8000A
セミクロス
更新済みの編成 更新済 追加更新 更新済 追加更新 更新済 配置区所や入場時に追加更新
未更新の編成 一括更新 10両全車を更新
宇都宮/籠原
熱海
小山車両ベース
所属E231系1000番台付属編成(更新)
  • 縮小
  • 詳細
15号車 14号車 13号車 12号車 11号車
▽

>

WC
▽
クハE231
8000A
セミクロス
サハE231
3000A
セミクロス
モハE231
1000C
ロング
VVVF
SC112
立 IGBT
モハE230
1000C
ロング
SIV
SC114
富 IGBT
CP
MH3119-C1600S1
クハE230
6000A
ロング
更新済みの編成 更新済 追加更新 更新済 配置区所や入場時に追加更新
未更新の編成 一括更新 5両全車を更新
細かい進捗はE231系小山車両センター編成表(最新版)に掲載しています。

東海道・宇都宮・高崎線からの転出

特にE231系前期車は、置き換えの順序によっては、単純な老朽取替の対象になりかねない時期になります。
東海道・宇都宮・高崎線向けE231系は1255両、E233系は525両で、仮に2023年度から年250両ペースで置き換えても、7年後の2030年度までかかる計算です。仮にE233系を先に転出させた場合、E231系は全車両それなりの経年まで使用できることになり、サハE231形の機器更新はこのような動きと合致していました。
東海道・宇都宮・高崎線向けのE235系の一部は、E231、E233系の捻出グリーン車を組み込む(将来的に中央快速線向けグリーン車の転入で置き換える)ことで、ほぼ無駄を出さずに転用ができる見込みでした。

各地方線区への転入

転入先については、幕張車両センターにE131系を投入する計画が明らかになっており、同形式の他線区への投入が想定されます。ベストプラクティス2015より、転用の幅が狭くなっていたのではないかと思います。

通勤線区へのE235系投入とE233系の転属(ベストプラクティス2020)

2020年7月に置き換え計画が明らかとなった横浜線向けE233系6000番台 労組資料から、2020年時点(重要)で、横浜線には2024年度以降(投入時期不明)にE235系を投入する計画があることが明らかに。
2020年5月の労組資料に「車両置き換え計画の方向性が出る予定」との記述、7月の労組資料に「車両取替え計画(ベストプラクティス)の更新」との記述が確認されました。
2020年6月、長編成ワンマンを見据えて「(京浜東北線へ)2024年度に新型車両を投入」するとの報道がありました。7月までにはベストプラクティス2020におけるE235系の投入先、E233系の転用先の一部が明らかとなっています。

京浜東北・根岸線・横浜線へのE235系導入

2020年6月、「(京浜東北線へ)2024年度に新型車両を投入」するとの報道があり、2020年7月、労組資料に「2024年度以降の京浜東北・根岸線、横浜線へのワンマン運転機能を備えたE235系(の投入)」との記述がありました。
2020年7月時点で、さいたま車両センター(京浜東北線)には2024年度にE235系を投入、鎌倉車両センター本所(横浜線)には2024年度以降(投入時期不明)にE235系を投入する計画があることが分かります。

各地方線区へのE233系転入

2020年7月、労組資料に「ワンマン機能を備えたE233系の仙石線・房総エリア・高崎エリア・松本・甲府エリアへ転属が予定」されているとの記述がありました。また、2020年6月、労組資料に「房総エリアには(中略)E233系車両を2024年度以降に導入する」との記述が確認されました。
これらから、E233系がワンマン化改造を受け、205系が配置されている仙台車両センター(仙石線)、209系が配置されている幕張車両センター(内房線・外房線・成田線・総武本線)、211系が配置されている高崎車両センター本所(上越線・信越線・吾妻線・両毛線)、長野総合車両センター(信越線・篠ノ井線・中央線)に転入する計画となります。
なお、これらの資料はワンマン化を主題としていること、組織率に地域差のある労組が公開していることから、一部線区が欠落している可能性があります。
さいたま車両センターのE233系1000番台、鎌倉車両センター本所のE233系6000番台について、直接的に転用先を示す表現は見つかっていませんが、現在までの経緯、時期的な合致から、これらのE233系が転属すると推測しています。
E233系だけで置き換えるとは限らないことから、幕張車両センターのようにE131系と併存する線区が他にも出てくる可能性があります。
これらの転属先はベストプラクティス2015で明らかになっていた転属先と重複しており、ベストプラクティス2018から推測される時期と同一であるため、近郊線区のE235系投入、E233系転出は大枠では中止され、実施されたとしても部分的なものにとどまりそうです。(ただし、2020年代後半以降まで見ると、E231系近郊タイプの老朽取替を考慮する必要があります。)

まとめ

通勤線区へのE235系投入とE233系の転属(ベストプラクティス2020)

今後の見通し

以上より、大まかな今後の見通しをまとめます。

投入・転用計画の推移

ベストプラクティスは2~3年おきに改訂されており、車両の発注は概ね2年前、設計は更に数年前から始まることから、2024年度とされる京浜東北線へのE235系投入、E233系の転出が変更される可能性は低いと思います。
一方で、時期が不明(2024年度以降)な横浜線への投入や各線区への細かい転用計画は、今後も多かれ少なかれ変更を重ねていくことになると思います。

直近で転用が考えられる線区

線区2020年度編成数コメント推測
中央・篠ノ井・大糸線211系6連14本・3連36本ベストプラクティス2015ではE231系による置き換え。
ベストプラクティス2020ではE233系による置き換え。
可能性高い
【*1】
上越・両毛・吾妻線211系6連7本・4連23本ベストプラクティス2020ではE233系による置き換え。
仙石線205系4連17本労組資料(2017年)ではE231系による置き換え。
ベストプラクティス2020ではE233系による置き換え。
房総各線209系6連26本・4連42本
未満(∵ E131系投入)
ベストプラクティス2020ではE233系による置き換え。
労組資料(2020年)では2024年度から置き換え。
宇都宮・日光線205系4連12本E531系の絡みも出てくる線区。可能性低い
【*2】
相模線205系4連13本情報なし。トイレ不要。
鶴見・南武支線205系2連3本・3連9本燃料電池車FV-E991系を試験導入。先頭化改造必要。
※ 205系、211系、209系2000番台が置き換わると、次の経年車は209系500番台、3500番台、E231系0番台となります。

【*1】可能性高い

労組資料から、いずれもベストプラクティス2020にE233系転入が明記されていると推測できます。一部線区では、E131系が併せて導入される可能性もあります。

【*2】可能性低い

これらの線区はいずれも長編成の新系列が導入されている配置区所で、かつ、編成が比較的短く、E131系が導入される可能性があります。
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