E231系の動き

6ドア車が淘汰される理由と、現在までのE231系の動き

6ドア車が(将来的に)淘汰される理由

山手線は、田端~田町間で京浜東北線と並走しています。通常は独立した運転形態ですが、輸送障害時や保守工事(リフレッシュ工事)の際、山手線か京浜東北線の線路を閉鎖して、もう一方の線路で2路線の運転を行うことがあります。
可動式ホーム柵が先行導入される、恵比寿駅、目黒駅は問題ありませんが、この並走区間に設置される可動式ホーム柵は、11両編成のE231系500番台と、10両編成のE233系1000番台が両方とも停車できるような開口部を設ける必要があります。

ドア位置に差異がある号車

号車山手線E231系京浜東北線E233系
1号車 クハE230-500
クハE230-500
クハE232-1000
クハE232-1000
右端の客室扉の位置が合わない。
車体右端から該当扉中央まで、E231系は2790mm、E233系は3740mm。
7号車 サハE230-500
サハE230-500
モハE232-1400
モハE232-1400
扉数が違うため、位置を合わせるのは困難。
10号車 サハE230-500
サハE230-500
クハE233-1000
クハE233-1000
扉数が違うため、位置を合わせるのは困難。
11号車 クハE231-500
クハE231-500
--
11号車部分は山手線のみの柵を設ければよい。

対策

7号車と10号車を4ドア車に置き換え、1号車・10号車部分に特殊な可動式ホーム柵を設置することで対応するようです。
鉄道ファン誌586号に掲載された情報によると、10号車に連結される新造車は、京浜東北線E233系の先頭と重なる部分のドアが、車体中央寄りに690mmズレた車体になるようです。これは、通常の中間車のドア配置にすると可動柵の開口幅が3.5m(≒不可能)を超えてしまい、逆にE233系先頭車のドア配置に合わせると、ドア配置に大きな偏りが出てしまうためでしょう。
号車山手線E231系京浜東北線E233系田端~田町間の可動式ホーム柵
1号車 クハE230-500
クハE230-500
クハE232-1000
クハE232-1000
右端の客室扉に、開口幅2880mmの特殊な可動式ホーム柵を設置。
E233系先頭部と、E231系先頭部の両方に対応。
右端の客室扉の位置が合わない。
車体右端から該当扉中央まで、E231系は2790mm、E233系は3740mm。
7号車 サハE231-600(通常ドア新造車)
サハE231
モハE232-1400
モハE232-1400
通常の開口幅2000mmの可動式ホーム柵を設置。
扉の位置は合致する。
10号車 サハE231-4600(変則ドア新造車)
サハE231
クハE233-1000
クハE233-1000
左端の客室扉に、開口幅2710mmの特殊な可動式ホーム柵を設置。
E233系先頭部と、E231系(変則ドア配置)の両方に対応。
左端の客室扉の位置が合わない。
車体左端から該当扉中央まで、E231系は3030mm、E233系は3740mm。
11号車 クハE231-500
クハE231-500
-- 通常の開口幅2000mmの可動式ホーム柵を設置。
11号車部分は山手線のみの柵を設ければよい。

投入時期の前倒し

当初の計画通りなら、この置き換えは2013年度以降で良いはずですが、2010年から2011年にかけて6ドア車の淘汰が行われるようです。

E231系の動き

運転台の様子 予備モニター用だったはずの場所に取り付けられたTASC表示灯。

TASC表示灯 表示灯のアップ。液晶ではなく従来のボタン形式。

床下ホームドア関連機器 試運転中のトウ515編成の床下に取り付けられた機器箱。2009年12月10日に撮影。

定位置停止装置(TASC)の取り付け

2009年から、山手線のE231系500番台に、可動式ホーム柵への停車で必要な定位置停止装置の取り付け工事が進んでいます。
乗務員室内を見た限りでは、運転台の予備モニター用だったはずの場所にTASC表示灯が取り付けられ、乗務員室扉の横に「ホームドア分離開扉スイッチ」、運転台右端に「TASC主電源」が取り付けられているのが確認できます。スイッチは両方とも黄色いテープで封鎖されています。
また、先頭車後方の床下には定位置停止装置のための機器箱が取り付けられています。下の写真で、向かって左側の小さめの箱には「ホームドアトランスポンダ送受信装置」、右側の大きめの箱には「ホームドア継電器」との記載があります。6月の発表の通り、トランスポンダ(有電源地上子)を経てドア開閉指令・可動柵情報を送受信するようです。

6ドア車置き換えの流れ

鉄道ファン誌586号に以下の情報が掲載されました。
  • 編成中2両の6ドア車(サハE230形500番台)を抜き取り、廃車にする。
  • 6ドア車の代わりに新造の4ドア車を組み込む。
  • この新造車は、6ドア車の部品を極力流用したE233系準拠の車両になる。
1月下旬に姿を現した実車は、E233系にほぼ準拠しているものの、サハE231形600番台のドア・台車はE231系と同等のものでした。
置き換えの上でネックになってくるのは、台車やクーラーなどの機器類の流用で、これらの搬送方法、流用規模が気になりますね。

試運転用のE231系

新潟地区での試運転用に三鷹車両センターのE231系が捻出されたようです。
新造された4ドア車を参考にどうぞ。
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