JR東日本、「スーパーあずさ」新型車両導入の検討着手

 JR東日本が中央東線特急「スーパーあずさ」の新型車両導入の検討に着手したことが31日、分かった。一方、JR東海は開発中のリニア新型試験車両「L0(エルゼロ)系」を年内にも山梨実験線に投入、来年末からの本格試験走行に向けて調整を始める方針も判明。2027年のリニア中央新幹線東京―名古屋開業後、競合する両路線は、快適性やスピードなどをめぐり、技術面でも競うことになる。
 「あずさ」より停車駅の少ないスーパーあずさは1994年にデビュー。採用車両E351系は、カーブでも速度を落とさずに走れる「制御付き自然振り子構造」をJR東日本で初めて採用。松本―新宿を最速2時間25分で結ぶ。だが、さらに高速化するには都内の立川―三鷹間の複々線化、急カーブが多い甲府―高尾間の路線改良が必要で、財源のめどは立っていない。
 同社はこうした中、快適性を高めることでリニアに対抗していく構え。新型車両では乗り心地や静粛性、空調の向上、沿線の自然を楽しめる大きな窓、電源コンセントやインターネット接続といったビジネス対応の設備の充実などを検討しているとみられる。
 また、同社は、リニア山梨駅がJR甲府駅からバスで20分程度(山梨県試算)離れていることや、地下40~50メートルにリニア東京(品川)駅が設けられるため、乗り換え時間や運賃を考慮すれば、山梨―品川を25分程度で結ぶリニアにも対抗できるとみる。
 JR東海は来年末までに山梨実験線延伸工事を終え、延長42・8キロで試験走行を再開。18・4キロの従来区間も地上コイルを最新型に替えており、年内にも完成する L0系車両の調整を現地で行う。


2012年9月1日 信濃毎日新聞

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