9月26日、西武鉄道は「サステナ車両(西武独自呼称、他社からの譲受車両)」として、東急電鉄9000系と小田急電鉄8000形を譲受することを明らかにしました。
これは、西武鉄道・小田急電鉄・東急電鉄の3社連名のニュースリリースにおいて発表されました。
具体的な内容は以下の通りです。導入規模は2形式併せて約100両です。この施策により、2030年度までに車両のVVVF化100%達成を目指すとしています。
●東急9000系
導入路線…多摩川線・多摩湖線・西武秩父線・狭山線
導入時期…2025年度以降順次運行開始予定
●小田急8000形
導入路線…国分寺線
導入時期…2024年度運行開始予定
本記事時点での種車の状況です。
小田急電鉄8000形は6連12本と4連10本が所属しています。直近では6連の8254×6(8254F)と8256×6(8256F)の引退が示唆されており、9月には8254×6(8254F)がツアー運行を行ったほか、10月には8256×6(8256F)の撮影会が予定されています。
東急電鉄9000系は5連15本、兄弟系列の9020系は5連3本が所属しています。いずれも大井町線を中心に営業運転に就いていますが、鉄軌道旅客運賃改定に係る公表資料や2023年度設備投資計画で大井町線向けに新型車両を導入することを明らかにしており、多数の余剰車両が発生する見込みでした。
西武鉄道のサステナ車両施策は、2022年5月に公表された西武ホールディングス2022年3月期決算の補足説明資料の中で施策の存在が初めて明らかになりました。その後、▽新聞報道で枝線への導入を検討していること、▽業界誌の記事でサステナ車両導入により2030年度までに全所有車両のVVVF化を目指していることがそれぞれ明らかになっていました。今年に入ってからも、2023年度設備投資計画において導入に向けた準備を進めているとしていました。
なお、サステナ車両の定義をめぐっては、当初“無塗装車体、VVVFインバーター制御車両等の他社からの譲受車両を当社独自の呼称として定義”としていましたが、2023年度設備投資計画では“VVVFインバータ制御車両等の環境負荷の少ない他社からの譲受車両を指す(当社独自呼称)”と変化しており、環境負荷を抑える目的を強調したうえで、無塗装車体に関する言及が無くなっていました。
▼2023年9月26日発表「西武鉄道と東急電鉄・小田急電鉄「サステナ車両」を授受 各社連携して、SDGsへの貢献を加速してまいります」
https://www.seiburailway.jp/file.jsp?newsroom/news/file/20230926_sasutenatrain.pdf