209系2100番台の編成短縮と伊豆急譲渡

E131系投入による209系2100番台の編成短縮と伊豆急譲渡。

E131系投入による209系2100番台の伊豆急譲渡

幕張車両センターに所属する房総各線、北総各線向け209系2000・2100番台は、4連42本、6連26本が配置され、編成の区別なく運用されてきました。成田空港エリアへのホームドア設置により、2019年度以降、運用に制約が出るようになりました。
2021年2月、E131系が営業投入される2021年3月改正に合わせて40~50両が淘汰予定と商業誌に掲載され、6連3本が廃車配給されたほか、一部の6両編成は4両化され、伊豆急譲渡と推測される編成も出ています。

まとめ

E131系投入による209系2100番台の編成短縮と今後

209系2100番台6連の編成短縮

6連6本が4両化され、既存4連の続きとなるマリC443~C448編成とされました。余剰車は後述の編成として廃車となった209系に挟まれ、10連で廃車配給されました。
幕張車両センターの209系2000・2100番台幕張車両センターの209系2000・2100番台。
余剰となり6連から抜かれたWC無しMユニット6連から抜かれたWC無しMユニット(写真は元C620・C613編成4両)。
幕張車両センター一般公開(2019年)で確認された、ホームドア対応改造の部品幕張車両センター一般公開(2019年)で確認された、ホームドア対応改造の部品。

ホームドア対応改造

首都圏各線区でホームドア対応改造(FD改造)が進んでいますが、2020年3月から、空港第2ビル駅、成田空港駅でホームドアが稼働しています。E217系は新小岩対応でFD対応済みですが、E259系と209系4連は新たにFD改造を行い、無線連携システムを搭載することになりました(ホームドア開口部が大きいためTASCは未搭載)。
209系は8両編成のみの入線であることから、2019年4月以降、改造は4連のみで行われていましたが、2020年8月以降、6連へのホームドア改造が確認されました。209系の検査期限はやや複雑(後述)ですが、前回検査が比較的古い編成が選ばれています。

房総各線での編成両数変更

2020年12月、公開された労組資料の中で、2021年3月改正以降の房総各線の運用形態について、「ほぼ8両とし、6両と10両を削減」との記述があり、6連の削減が推測される状況でした。
また、2021年2月、Jトレイン 81号(イカロス出版)に「6両編成の4両編成化(中略)と運用見直しとで40~50両の209系が淘汰される模様」との記述がありました。

209系2100番台の編成短縮(6両→4両)

2021年2月に大宮総合車両センターを出場したマリC620編成は、4・5号車の定期検査が省略されていました。2021年2月24日、同編成は4両化されて編成番号を変更、その後も順次編成短縮が行われています。
2月末にはダイヤ改正を待たずに6連運用を減らし4連運用を増やすような両数変更が駅掲示で明らかとなり、組み換えはダイヤ改正前後で順次進められました。マリC620編成以外は先述のFD改造を行った5編成が選ばれました(マリC620編成は編成短縮時にFD改造)。

編成の短縮状況

元編成短縮確認日新編成番号
C62021/02/24C448
C61321/03/01C445
C61121/03/04C444
C61621/03/08C447
C60521/03/15C443
C60521/03/22C446

209系2100番台6連の廃車と伊豆急譲渡

40~50両が淘汰されるためには、編成丸ごとの淘汰が必須となります。2021年7月現在、6連3本が長野へ廃車配給、6連1本が伊東へ甲種輸送、残り1~2編成程度が余剰となっています。

長野総合車両センター配給済み

前章で余剰となったM車6ユニットに伴走する形で、6連3本が10連とされ、津田沼から新金線経由で長野まで廃車配給されました。
編成配給日程 津田沼→長野共に配給されたMユニット
C61821/04/22C605+C616
C61221/04/28C614+C611
C62621/05/12C613+C620
マリC618編成・元マリC605・C616編成10両長野へ
4月22日、マリC618編成と、元マリC605編成・元マリC616編成の余剰モハ車の計10両が、長野総合車両センターへ配給されました。 JR 車両動向 > 209系幕張車両センター編成表(最新版) JR 車両動向 > E...
マリC612編成・元マリC611・C614編成10両長野へ
4月28日、マリC612編成と、元マリC611編成・元マリC614編成の余剰モハ車の計10両が、長野総合車両センターへ配給されました。 JR 車両動向 > 209系幕張車両センター編成表 JR 車両動向 > E131系・...
マリC626編成・元マリC613・C620編成10両長野へ
5月12日、マリC626編成と、元マリC613編成・元マリC620編成の余剰モハ車の計10両が、長野総合車両センターへ配給されました。 これにより、幕張車両センターに配置されている209系余剰モハ車全てが長野総合車両センターへと配給された...

甲種輸送済み

7月に入り、6連1本が幕張から蘇我経由で伊東まで甲種輸送されました。伊豆急譲渡と推測されます。
元編成甲種輸送日程 幕張→伊東新用途
C60921/07/06~07伊豆急譲渡と推測。

209系2100番台編成表

幕張車両センター209系の検査期限(参考)

通例、指定保全は60万キロ、装置・車体保全はそれから60万キロ(120万キロ)で期限に達するため、検査入場は概ね等間隔に行われます。ここで、装置・車体保全では車輪が交換されます(一部例外あり)。車輪は走行により摩耗しますが、使用環境により、摩耗のペースが異なります。
実際には、幕張車両センターの209系は入場間隔がまちまちで、2015年のサイバネシンポジウム講演論文集によると、70~90万キロで車輪が使用限界に達してしまうため、装置・車体保全の繰り上げ入場が行われているとの記述があります。
つまり、単純に言えば「装置・車体保全 → 指定保全」は60万キロ、「指定保全 → 装置・車体保全」は20~30万キロで達してしまう(車輪が先に寿命を迎える)状況で、前回検査は検査種別ごとに把握する必要がありそうです。
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